Q.イナビル吸入懸濁用160mgセットの開発の経緯について教えてください。

A.

イナビル(一般名:ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)は、第一三共株式会社が創製・開発した長時間作用型ノイラミニダーゼ(NA)阻害剤であり、活性代謝物であるラニナミビルへと代謝されたのち、A型又はB型インフルエンザウイルスの表面に存在するNAを長時間にわたって選択的に阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制します。
本邦では、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物を有効成分として含有する吸入粉末剤(販売名:イナビル吸入粉末剤20mg)が、2010年9月に「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療」の効能・効果で承認を取得し、さらに2013年12月及び2016年8月には、予防に関する効能・効果及び用法・用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
イナビル吸入粉末剤は、5歳未満の小児、肺機能が著しく低下している呼吸器疾患(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患等)を合併する患者、吸入手技の理解が不足している患者等では使用が困難です。また、添加剤として乳糖水和物を含有することから、乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者に対しては注意が必要です。これらの問題点を改善することを目的とし、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者に対して新たな治療の選択肢となることを期待して、添加剤に乳糖水和物を含まず、本剤を自然呼吸で吸入可能な吸入懸濁用製剤とし、医療現場での利便性及び感染予防対策を考慮して単回使用のネブライザ吸入器を同梱したコンビネーション製品として開発しました。
今般、インフルエンザウイルス感染症患者を対象とした国内第Ⅲ相試験で、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療に対する本剤の有効性及び安全性が確認されたことから、「イナビル吸入懸濁用160mgセット」の製造販売承認申請を行い、2019年6月に承認を取得しました。

引用文献:
イナビル吸入懸濁用160mgセット インタビューフォーム

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