Q.トポテシンによる下痢の予防対策について教えてください。

A.

トポテシンの下痢に対して、予防対策に関する明確なエビデンスは確立されておりませんが、経口アルカリ化または半夏瀉心湯・柴苓湯を経口投与し、下痢の発現を軽減できたという報告があります。

<経口アルカリ化>
遅発型の下痢は活性代謝物SN-38による腸管粘膜の傷害で生じます。
SN-38は構造式にラクトン環を有し、可逆的に中性からアルカリ性では開環し、カルボキシル体となり、酸性下では閉環しラクトン体になります。カルボキシル体はラクトン体に比べ腸管からの吸収がされにくく、かつ毒性が低い性質があります。
経口アルカリ化は、通常弱酸性下にある腸管内をアルカリ性にすることでSN-38をカルボキシル体にし、腸管からの再吸収を抑制することを利用して、下痢の発現を予防する方法です。
炭酸水素ナトリウム(重曹)やアルカリ飲料水など腸管内のアルカリ化と、重曹による便秘対策のための酸化マグネシウム(カマ)や胆汁のアルカリ化を促進するウルソデオキシコール酸などと併用することにより遅発性下痢を軽減できた報告があります1)

<半夏瀉心湯・柴苓湯の経口投与>
半夏瀉心湯や柴苓湯にはβ-グルクロニダーゼを阻害するバイカリンを含有しており、SN-38Gが腸内細菌のβ-グルクロニダーゼによりSN-38へ脱抱合されるのを抑制する目的で投与する方法です。
トポテシン投与2~3日前から半夏瀉心湯7.5g/日を1日3回食前経口投与し、化学療法終了まで継続投与した報告があります2)。またその他として柴苓湯の報告があります3)

引用文献:
1)竹田雄一郎ほか:癌と化学療法 2002; 29(7):1171-1177
2)坂田優:Prog Med 1998;18(4):774-777
3)田中哲二:漢方医学 2000;24(4):178-182

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